電力会社を辞めた理由⑱

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どうも、しそです。

今回は、電力会社を辞めた理由⑱についてご紹介します。

(電力会社を辞めた理由⑰の続編です。)

電力会社を辞めたい、辞めて転職を考えているけど行動できない。

または電力会社に就職したいと考えている人が後悔しないように。

このしそ日記が届けば幸いです。

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社内ルールの不統一①

電力会社では、取り扱う電圧区分が違うだけで、運用のやり方や書面の様式が全く異なります。

例えば、スイッチ類の操作一つをとってもそう。

配電では、屋外での柱上・柱下のやり取り、事業所との無線のやり取りが中心です。

よって、聞き間違いによる誤操作を防ぐべく、投入・開放と言う用語を使って状態を表現します。

需要家のやり取りは、保安管理を営む電気主任技術者が竣工や点検を終えた際。

必ず、PAS(柱上気中開閉器、柱上用SOG開閉器)と呼ばれる、自家用電気工作物の区分用開閉器の投入操作を行います。

よって、自家用電気工作物の点検結果通知書(俗称:送電依頼書)を、営業担当経由で受け取りし、系統担当に引継ぎします。

(未だに、FAXが現役。電力会社・電気保安法人・電気管理技術者の全てが、生きた化石。)

そして、携帯電話で連絡を取り合い、系統への異常が発生しないか監視します。

この際に行われる、瞬投と呼ばれる理解不能なスイッチの操作技能。

0.2秒~0.8秒の間に、前述のPASを瞬時的に投入・開放(入り・切り)します。

0.2秒未満でも、0.8秒を超えてもダメです。

その理由としては、51と呼ばれる短絡・過負荷に関するリレーの整定値が0.2秒、64と呼ばれる地絡に関するリレーの整定値が0.8秒であることからです。

(整定値と呼ばれる、配電用変電所の保護継電器の設定は電力会社によってまちまちです。)

よって、自家用電気工作物に絶縁不良や短絡が生じていても、導通時間が短過ぎて故障を検出できないか、開路操作が間に合わずに波及事故となります。

(電気主任技術者は最低限、PASの瞬投・先方柱への昇柱・故障した避雷器の切り離しができないと、現場の配電社員にディスられます。)

PASだけでなく、電力会社の配電設備に異常があった際にも、高圧線路の開閉器投入・変圧器のヒューズ投入において、同様の操作を行います。

ちなみに、地中線に用いられる路上開閉器の操作を瞬時に行うことは構造上不可能であり、何の躊躇もせずにそのまま投入しています。

(遮断器も同様。だったら開閉器も辞めれば良いのに、誰も進言しない。)

しかしながら私は、この行為に常々疑問を持っています。

電気設備は、開閉時に最もストレスを受けます。

いわゆる、開閉サージと言うやつです。

低圧側の負荷を遮断した変圧器だけならまだしも、配電設備では高圧ケーブル、キュービクルでは高圧進相用コンデンサがあります。

当然、回路を充電する際には、急激に電荷が蓄えられます。

(電験でも勉強する、過渡現象。)

この際に、開閉器の線路が閉じる際に、急激な開閉に伴う接点(刃)の摩耗を心配しています。

(PASは、負荷電流を開閉することはできても、短絡電流を遮断することはできません。)

これはどこかに書いてあるわけでもなく、誰かが検証したことも一切ありません。

ただ、三流配電マンであった二流メーカーの電気主任技術者見習いが、常々疑問に思っているだけのことです。

(賢い人がいましたら、ぜひ助言願います。)



社内ルールの不統一②

工務では、屋内でのやり取りが中心です。

聞き間違いが少ないことからか、入れる・開くと言う用語を使って状態を表現します。

(その実は同じことですが、互いに無駄なプライドを持っているため、一旦バトルが始まると決して譲り合わず、平行線です。)

需要家のやり取りは、給電申合書と呼ばれる書面を営業担当とあらかじめ取り交わします。

PASよりも複雑な、受電用遮断器の操作に関する手順を整理しておきます。

(特高受電では、1L・2Lと呼ばれる本線予備線受電方式となっていることが多いです。何かあっても安心!)

作業を予定する1年前に、設備停止票と言う書面にて互いの操作内容をやり取りします。

その主たる目的としては、急な作業がないように事前協議です。

(なお、需要家側からの緊急依頼対応は露骨に嫌がられるものの、電気事業者側からの緊急対応依頼はしょっちゅうあります。ガッデム。)

よって、電験三種で賄える高圧受電の事業所から、電験二種が必要な特高受電の事業所の電気主任技術者へステップアップする。

あるいは、電験二種の会社員を辞めて、電験三種の電気管理事務所(自営業)を開く。

そのような場合に、同じ電力会社を相手にする際であっても、今までの常識が全く通用せず、行政の対応以上にいらぬ苦労をします。

これだけ機械化が進んだ世の中で、配電部門に染み付いた、人間の感覚に頼り切ったスイッチの操作技能。

役所的な電力会社においても、最も役所的な工務部門。

理論や理屈ではまかり通らないのが、電力会社の現実です。

 

以上、電力会社を辞めた理由⑱についてご紹介しました。

電力会社を辞めた理由⑲にて、引き続きまとめていきたいと思います。

それでは、また。