電力会社を辞めた理由㉘

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どうも、しそです。

今回は、電力会社を辞めた理由㉘についてご紹介します。

(電力会社を辞めた理由㉗の続編です。)



雨天でも活線作業

電力会社の配電部門は、昼夜を問わず配電設備の保守に取り組んでいます。

道路脇に電柱が設置されていることを考えても、屋外での作業が必然的で、常に天候に恵まれた日ばかりとは限りません。

例えば、低圧充電作業。

低圧用絶縁ゴム手袋を装着していても、昇柱時に足場ボルトで擦り切れ、気が付くとすぐに穴が空いています。

(保護具・安全用品の選び方を参照のこと。研修センターで支給される低圧発泡手袋は、荷上げ用のロープ摩擦ですぐに焼き切れる。手に付くゴム臭も最悪。)

安全を担保するための、ピンホール有無確認。

本来は、作業の都度に空気充満試験を行う必要がありますが、安全意識の低い配電の現場では当然誰もやっていません。

(研修センターでの、茶番のみ。外観!傷・損傷なし、ヨォーシ!)

そんな状態で、柱上での結線作業を行うとどうなるか。

ゴム手袋の外装は雨で濡れ、絶縁効力は低下。

内装は無数のピンホールがあり、夏場であれば汗もかいている。

結果、感電しながらの作業が当たり前。

特に、対地電圧が173Vと比較的高い、動力引込線を触ると顕著。

(指先にピリピリと痺れを感じますが、動けなくなるレベルではない。)

対策としては、常に新品を持ち合わせ、傷む前に取り替える。

(耐電圧試験の必要ない低圧保護具は、定期的に更新する文化がない。)

電気の世界ではよく言われることだが、マジで自分の身は自分で守るしかない。



命より重い配電の責務

ただ、実際に事故に至る可能性を考えると、上記はまだまだ序の口。

例えば、高圧活線作業。

当然のことながら、雨水・発汗によって感電の恐れのある、雨天・真夏日の作業は厳禁。

(純水ならば殆ど導通しないが、現場にある水分は不純物だらけで導体。)

しかしながら、広大な範囲で全停電を引き起こしている配電線事故復旧時には、そんなことも言っていられない。

近くに常設の開閉器があれば良いものの、行きっぱなしの配電線では最小限しか設置されていないことも多い。

よって、高圧ピン碍子(通称:6号ピン)の割れ程度であれば、ちゃっちゃと活線で取替。

件のビール瓶が重たくて早く中身を注ぎたい先輩によると「肩までピリピリ来て気持ち良いわー」との問題発言。

(電力会社を辞めた理由③を参照のこと。)

当然ながら耐電圧試験の施された、高所作業車・高圧用電気絶縁ゴム手袋・絶縁上衣を装着していても、これ。

明らかな、安全配慮義務違反。

(作業性の都合上、その昔は素手でバインド線を巻く猛者もいたとの伝承。高所作業車に乗っているとは言え、問題外。)

現場で働く若手社員が、危険作業を理由に断れるような雰囲気はゼロ。

命惜しさに職務を放棄すれば、干されてオシマイ。

この危険極まりない状況下で、いざ感電・死傷事故が発生したとしても、会社側は知らぬ存ぜぬ。

普段から必要な安全教育を行っており、会社の命令ではなく、現場の個人の判断と切り捨て。

守るべきは社員ではなく、一企業の体裁。

このように、名もなき配電社員の自己犠牲によって、我々の便利で快適な生活が保たれていると言う事実。

一般公衆の誰一人として、考えたことはないだろうな。

 

以上、電力会社を辞めた理由㉘についてご紹介しました。

電力会社を辞めた理由㉙にて、引き続きまとめていきたいと思います。

それでは、また。