電力会社を辞めた理由㉙

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どうも、しそです。

今回は、電力会社を辞めた理由㉙についてご紹介します。

(電力会社を辞めた理由㉘の続編です。)



高所作業車とは

電力会社の配電部門では、電柱の外線工事やメンテナンスに際し、高所作業車による昇柱が一般的です。

その昔は、電柱への素昇りが当たり前でしたが、今では広く一般に普及しています。

(電線ヒューズの取替や開閉器操作等、30分以内の経緯な作業であれば、現在でも素昇り。)

運転操作には、高所作業車運転者の修了が必須。

作業床が10m未満は、特別教育。

(配電系の新入社員は、漏れなく社内教育で受講。電力会社を辞めた理由⑦でも多少紹介した通り、中型自動車免許を持たねば、車両本体は動かせない。)

電力社員は、スカイボーイ(通称:スカボ)と呼ぶことが多い。

(最大積載荷重:120kg、定員:1名。当然、守らない現場。)

自営の電気管理技術者は、スカイマスター。

引込線工事施工者は、引込高所と呼ぶ。

方言のようなもので、その実はどれも同じ。

また、作業床が10mを超えると、技能講習。

(2日間の外部講習。普通にしていれば、誰でも受かる。)

電力社員は、高所作業車(通称:高所)と呼ぶことが多い。

(最大積載荷重:200kg、定員:2名。重量級社員には、やや厳しい上限。)

いずれも、車両には接地が施され、バケットと呼ばれるカゴは絶縁体。

人力による体力も不要で、ジョイスティックによる操作は容易。

(その昔は、レバー操作。僕はタダノよりもアイチが好み。)

これらの大きなメリットを考慮すると、作業の効率化を追求するためには、利用しない手立てはありません。



伸ばし過ぎて転倒

一見、無敵に思える高所作業車ですが、その実はどうしようもない弱点ばかり。

例えば、配電マンには欠かせない、伐採作業。

(電力会社を辞めた理由⑧を参照のこと。)

電線に接近・接触している樹木を斫るため、伸縮ブームを最大限まで伸ばして近付きます。

その際に、転倒防止のために行う作業が、アウトリガーの張り出し。

厚生労働省や高所作業車メーカーが求める理想は、左右4本の全張り出し。

(以下の動画は、水平張り出し不要のスカボの例。斜め上に脚の出る、前輪の敷板を敷く作業が慣れないと難しい。降雪時の除雪が面倒。)

“高所作業車実習 アウトリガー車体を安定させる装置)の操作

しかしながら、現場の狭い道路状況を考えると、アウトリガーを目一杯張り出すことは現実的に不可能。

よって、転倒方向となる民地側(電柱に近い側)のアウトリガーだけを、張り出しすることが多いです。

その結果、どうなるか。

極度に傾斜させた結果、電柱から遠い側の脚が浮きます。

バケット上での伐採の際は、作業に伴う激しい揺さぶりもあり、常に高所作業車がふら付いています。

(地上から見ると、顕著。)

いつ転倒してもおかしくない、大変危険な作業。

運良く事故に遭うことはありませんでしたが、当時は明日は我が身。

新入社員の頃は、震え・怯えながら、地上に落ちて来た枝の整理をしていました。

非絶縁ブームの存在

電気工事に使用される高所作業車は、それ自身が高い絶縁性能を持っています。

(定期自主検査は、まじめ。月次点検・始業前点検は、いい加減。チェック表にレ点を書くだけの形骸化。)

バケットは絶縁され、作業の際に最接近する第一ブームも絶縁性。

現場で酷使されることを予め考慮された設計で、故障も非常に少ない方です。

しかしながら、これだけで無敵と錯覚すると痛い目に。

大多数を占める、第二ブーム・第三ブームは、金属製。

作業箇所の高圧充電部は大丈夫でも、目下の低圧充電部に接触すれば地絡(漏電)。

更に言うと、低圧部の作業だけであれば、現場によっては接地線の敷設も省略することがある。

(地面が土でなければ、接地棒を打ち込めない。)

油断大敵。

労災は、すぐそこ。

 

以上、電力会社を辞めた理由㉙についてご紹介しました。

電力会社を辞めた理由㉚にて、引き続きまとめていきたいと思います。

それでは、また。