電力会社を辞めた理由㉟

どうも、しそです。

今回は、電力会社を辞めた理由㉟についてご紹介します。

(電力会社を辞めた理由㉞の続編です。)



大得意の仮工事

電力会社の配電部門では、お客さまの故障直し(不点保修)が、一般的な業務の一つです。

日常的に発生する、低圧100V~200V受電の停電。

電柱の装柱【京都編⑤】でも多少紹介しましたが、その故障原因の十中八九は電線ヒューズの溶断。

長期間、屋外に晒されたことで雨水が侵入し、劣化切れが殆ど。

けれども、稀に正常に動作することも。

例えば、引込線用ビニル絶縁電線(通称:DV線)の劣化。

電柱の装柱【京都編⑥】でも多少紹介した通り、現在では耐候性や耐久性に優れた、DS-DV線が主流。

しかしながら、既設の現場ではまだまだDV線が主流。

紫外線で絶縁体が劣化し、塩害が吹き付ける地域では、その発生が特に顕著。

(通称:パチパチ君。黒の劣化は最も遅く、緑と青が先に劣化して短絡に至る。大きな音と火花を伴うことから、夜間に消防署へ通報されることが多い。)

電灯100Vであれば、こんなものは日常茶飯事。

まともに張替をすることなく、短絡箇所に簡単な絶縁処理と電線ヒューズのキャップを取付し、仮工事でその場しのぎ。

後日、引込線施工者に張替を依頼し、本工事。

(現場の引込線更新は、全く追い付いていない。低圧受電の現場の誰しもが、明日は我が身。)

なお、電柱の装柱【京都編⑤】でも多少紹介した通り、先方鋼管柱以降の内線DVと呼ばれる電線は、電力会社の所掌外。

無償対応は、調査のみ。

恨み妬まれようとも、何もせず退散。

自他ともに、明らかに無駄な仕事。

託送料金だけで、回収できるはずがない。



ずる剥けのCVケーブル

問題となるのは、動力200V。

短絡した際のエネルギーが非常に大きく、作業の際にも細心の注意が必要。

それが電柱側と呼ばれる、電力柱から引き出したDV線であればまだ良いのだが。

特に、受点側と呼ばれる家屋側の受点(責任分界点)に、CVケーブルが使われている場合。

現在は、耐候性が改良されたCVTケーブルが主流であるものの、現場にはまだまだ残っている。

(簡単な見分け方は、黒いケーブル外装の中に電線が3本入っていれば、CV。黒いケーブル外装を3本より合わせてあれば、CVT。)

一般的な施工方法としては、露出した透明な絶縁体を、汎用の電気絶縁用ビニールテープ古河電工パワーシステムズエフコテープで絶縁&紫外線処理。

(世に出始めた当初は、そのような知見がなかった模様。)

このことで、実際に感電負傷事故にまで至った、大変痛ましいケースも存在する。

本来、責任分界点以降であるCVケーブル。

電力会社には、保守する責任は全くない。

ところが、新入社員の私が携わった、とあるポンプ場の現場。

そこには、ずる剥けとなった受点側のCVケーブル。

その線間は、良いとこ3cm程度。

雨が降り、風が吹くたびに、それが柱上の電線ヒューズの短絡原因になるとすれば。

当然、捨て身のテープ巻き。

(幸いにも?スカイボーイで出動した現場。届かなければ、諦められたのに。)

2枚しか支給されていない低圧ビニールシートを、1線ずつ確実に取付し、養生。

(クソまじめな新入社員ならではの、持参装備。中堅社員ともなると、持ち歩くことすらない。)

不可避の、感電・アーク熱傷の危険。

タダ働きで、本人への見返りゼロ。

十分なテープ巻きで満足し、未だ未改修のお客さま。

守るべきは我が身より、被覆の絶縁。

馬鹿いってんじゃないよ。

 

以上、電力会社を辞めた理由㉟についてご紹介しました。

電力会社を辞めた理由㊱にて、引き続きまとめていきたいと思います。

それでは、また。