電力会社を辞めた理由㊲

どうも、しそです。

今回は、電力会社を辞めた理由㊲についてご紹介します。

(電力会社を辞めた理由㊱の続編です。)



爆散するCFヒューズ

電力会社の配電部門において、肝心かなめとなる設備が柱上変圧器

配電用の高圧6,600Vから、家庭やオフィスで使用する100V~200Vへと降圧するための、重要な機器。

過負荷や短絡等の不測の事態に備えて、電気回路を安全に遮断するための部材が、高圧カットアウト用ヒューズ

(通称:CFヒューズ。襲雷時に溶断することが、稀にある。)

種別は遅動形(タイムラグ形)で、低圧誘導電動機の複数同時起動による励磁突入電流でも溶断せず、過負荷に対しては優れもの。

(1,500%0.1秒不溶断。15kVA以下は、単体形。20kVA以上は、複合形。)

低圧電力(動力)が負荷設備契約の場合、需要家側で勝手に増設されることがあり、結果として不点となることがある。

(基本料金の取り損ないだが、甘ちゃん営業担当はお客さまに追及しない。保護協調上は先に電線ヒューズが溶断するはずだが、現場ではそうならないことも往々にしてある。)

通常、過負荷については、下記のように動作。

(1:45付近、底部より飛び出し。)

“ヒューズ溶断実験4

このCFヒューズの解せぬ点は、あくまでも限流ヒューズではないこと。

この言葉がどのように意味するかは、頭で理解するよりも、目で見て納得。

(2:05付近、高圧カットアウト短絡試験 No.5を参照。)

“高圧短絡ビデオ

P=I^2R。

(限流形と非限流形及び遮断器の遮断特性の違いを参照のこと。)

短絡により、行き場を失った電気エネルギーは、ジュール熱によって柱上で爆発・炎上。

(幸いにして、電柱上の発火事故によって、近隣火災へと発展するケースは案外と少ない。)

この動画を見てもなお、十分な短絡保護が成されていると無理やり理解するだなんて。

ちゃんちゃらおかしいよ、配電部。



採用されぬ限流ヒューズ

高圧カットアウト(通称:CF遮断器)がただ四散するだけならば良いものの、問題は柱上作業員が素昇りしていた場合。

柱上変圧器以下の低圧停電(通称:バンク停電)が発生した場合、現場に駆け付けた電力社員は、まずCFヒューズを瞬投。

(電力会社を辞めた理由⑱を参照のこと。0.2秒~0.8秒の間に入れて・抜く。CF操作棒の固定が甘いと、ヒューズ筒が落下して公衆災害。固定がきついと、ヒューズ筒がCF遮断器内に取り残されて配電線事故。)

瞬投にて異常が見当たらなければ、その旨を系統担当と車載無線にてやり取りし、本投入。

(最近では、携帯電話でやり取りすることが多いが、本来はオープンクエスチョンによる、一手順・一操作が望ましいとされる。)

本投入し、しばらく待ってから異常がないと判断。

降柱しようとしたのも束の間、ロケット噴射するCFヒューズ。

(無人の短絡事故後は、道路上にヒューズ筒が転がっていることが多い。)

射出し突き抜ける先は、電力社員の薄い雨合羽と、皮膚。

不幸にも高圧カットアウトの取付金具は、CFヒューズを投入・開放しやすくするため、腕金に対し30度の角度が付いている。

(仮に他電力のように真下を向いていたとすれば、公衆災害。)

結果、生死の境をさまよう重大事故に発展。

(血管内で、CFヒューズの破片が循環。奇跡的に意識を取り戻し、蘇った電力社員。)

これ以降、保修車には瞬投用ヒューズが設けられるが、実際には横着して活用しないことも多い。

(CF遮断器に差し込んだだけでは、回路形成なし。ヒューズ筒の尻をCF操作棒で押し込むことで、一瞬だけ接点が閉じる構造。)

形だけの安全対策を施したとて、結局のところは現場任せ。

では、どのようにすれば事故を未然に防ぐことができるのか。

それは、まともに短絡保護もできないような粗悪なCFヒューズの採用をやめ、限流ヒューズを採用すべき。

(ただし、円筒形のCF遮断器には限流ヒューズの設定がない。では、箱形がベストかと言われると…)

実際に、世の中の特高・高圧需要家のLBS・PC・VTに設置されるPF(電力ヒューズ)は、その殆どが限流ヒューズ

(開けた環境にある電柱と違って、工場・オフィスビルはキュービクル・電気室が建物に接近・内包。ぼやでは済まない、電気火災。)

しかしながら今現在、赤字まっしぐらである電力会社の使命は、託送料金と呼ばれる電力流通コストの低減。

現場が燃えようが、社員が傷付こうが、使い捨てでお構いなし。

優秀な配電マンの皆は、まだ気が付いていないのだろうか。

己が限流ヒューズ未満のボロ雑巾へと洗脳された、不都合な真実に。

 

以上、電力会社を辞めた理由㊲についてご紹介しました。

電力会社を辞めた理由㊳にて、引き続きまとめていきたいと思います。

それでは、また。