電力会社を辞めた理由㊴

どうも、しそです。

今回は、電力会社を辞めた理由㊴についてご紹介します。

(電力会社を辞めた理由㊳の続編です。)



学習しない現場

電力会社の配電部門では、未だに人間系に頼り切った開閉器操作(通称:停電切替、略して切替)が数多く存在します。

配電線事故の発生時、シーケンシャルで行われる潮流制御により、隣接配電線からの連系(通称:逆送)が行われます。

これにより、俗に最終区間と呼ばれる、事故点を除いた健全区間への送電が瞬時に完了します。

世界的に見ても、優れた配電自動化システム。

(これからの時代は、過剰とも言える。多少の停電を許容する世の中にならねば、送配電に掛かるコストは右肩上がり。)

ただし、計画停電工事と呼ばれる、平素の高圧停電範囲の形成は人力。

(電力会社を辞めた理由㉗を参照のこと。操作手順書はExcelのコピペで作成され、紛失リスクを孕んだ紙ベースで回付。)

事業所からの遠方制御が可能な自動開閉器が設置される区間は、概ね700kWごとの高圧需要家で区切られる。

(電柱の装柱【京都編④】を参照のこと。その通信方法は、今どき時代遅れのメタル通信ケーブル。極端な遠隔地では減衰するため、人里離れた山間部には設置不可。)

この700kWの根拠は、未だ不明。

高圧線の許容電流が142A~512A(1,420kW~5,120kW)であり、常時の負荷電流に逆送時の負荷電流を併せると、数区間で上限が来るためだろうか。

(1kWあたりで換算すると、契約電力1kW/公称電圧6.6kV*/力率0.95/√3≒0.1Aの計算。)

そんな、柱上開閉器。

配電用語では、上下2回線併架(複数台開閉器柱)の場合に、上段を「うわだん」、下段を「しただん」と言う。

(原則、誤操作を誘発しないよう設置が禁じられている。腕金に架線した、高圧線そのものを指す場合もある。)

やむを得ず設置する際(主に既設対応)には、投入(入)を意味する赤色の引綱に「うえ」や「した」の刻印が成された常設開閉器札を取付。

(まさかの、ひらがな。常用漢字すらも誤読の恐れがあると判断される、末端の技術者。)

「うえ」は、天空をイメージしたと言う、青色。

これはまだ、納得できるこじつけ。

ところが「した」は、大地をイメージしたと言う、黄色。

何故か、黄色。

本来は、緑色か茶色が妥当と思われるが、誰も何も気にしない現場。

(本店様の命令は、絶対!)

特に緊張の走る夜間の停電切替は、日中に現場の相接続を事前確認していても、当日その場になると発生する操作ミス。

(開閉器の電源側・負荷側の行先を確認するが、悪天候時は、いい加減になりがち。ただでさえ、闇に紛れた黒色の絶縁被覆は視認困難。)

電力会社を辞めた理由⑤でも多少紹介した通り、配電部門で多少なりとも出世しようと思えば、労働災害・交通事故・ヒューマンエラー停電だけは、ご法度。

(現場に不慣れな1年目~2年目社員と、長年不真面目な40代~50代社員のペアにて発生することが多い。)

実際に、ヒューマンエラー停電を起こした高専卒の私の同期は、今もなお干され続けています。

(大卒・院卒の同期にはゴマを擦り、高卒の同期を見下す。本人の性格による影響の方が、大きいかも。)

馬鹿に付ける薬はないね。



度重なる横着

停電切替に際し、オープンクエスチョンと呼ばれる無線連絡の手法を取る、電力会社。

系統担当からの一の問い掛けに対し、一の返答を返す保守担当。

この時点では、CP昇降器電柱昇降用1連はしごを電柱に取付し、開閉器操作柱の下(車内)で待機することが基本ルール。

(柱上安全帯と胴綱を装着したまま、狭い助手席に座る後輩は苦痛。短距離の異動では、シートベルトを装着させない先輩が大多数。警察に止められることはまずないが、明らかな道交法違反。)

当然ながら、操作位置までの昇柱(事前準備)は禁止されているが、たった数分の指示すら待ち切れない現場。

手動開閉器であれば、我先に引綱を解除。

自動開閉器であれば、当然のように子局のロックピンを解除。

(電力会社を辞めた理由⑱を参照のこと。)

更に細かいことを言うと、工事の対象外かつ片側充電となる電柱には、赤色の昇柱禁止幕を設置。

電柱番号を記載したA4横の紙を半分に切断し、前面に差し込む。事業所によっては、足場ボルトに取付するタイプの昇柱禁止札。この場合は、電柱番号を直接マジックで記入。)

同様に、低圧需要家の停電救済のため、低圧充電となる電柱には黄色の低圧充電幕を巻き付け。

(基本的に、柱上開閉器をまたぐ低圧配電線は設置しない工事指針。よって、LGeと呼ばれる低圧発電機車や、MTrと呼ばれる工事用変圧器車とセット。施工が極めて面倒で、SHIVと呼ばれる柱上変圧器二次側の低圧引下線は傷む一方。)

いずれも、停電切替の操作後に巻付するのが正であるが、昇柱前には既に取付されている現状。

(現場の言い分は、時短と取付忘れの防止。ごく稀に厳しく指導する先輩もいるが、まじめにやっていると約束の停電開始時刻に遅延して、後に系統担当から百叩きの刑。)

そんな電力さん(笑)の姿を、見て見ぬ振りする外線施工者。

(親会社・発注者には、逆らえぬ下請け。新入社員ですら気を遣われ、やり辛い若手。)

それどころか、現責や班長さんからジュース・コーヒーをいただくこともある。

(過剰なお上扱い。むしろ、仕事をお願いしている立場からすると、差し入れする側では。個人で買って行く先輩もいるが、本来は会社として対応すべき件。)

これが、地域の模範的立場となる、リーディングカンパニーの仕事のやり方。

立会いしたところで、減らない事故。

無駄に高い人件費すらペイできない、寂しい懐事情。

だから、何度も言っているじゃないの。

性善説は諦め、自動開閉器に更新しようと。

管理者に徹する公務員よろしく、割り切った働き方改革が必要であると。

 

以上、電力会社を辞めた理由㊴についてご紹介しました。

電力会社を辞めた理由㊵にて、引き続きまとめていきたいと思います。

それでは、また。