電力会社を辞めた理由㊶

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どうも、しそです。

今回は、電力会社を辞めた理由㊶についてご紹介します。

(電力会社を辞めた理由㊵の続編です。)



NTTの怠慢

電力会社の配電部門では、高経年の配電設備と日夜戦っています。

代表的な配電設備と言えばそう、電柱

(TBS系人気番組、マツコの知らない世界でも紹介されたばかり。当然、家族総出で見入る。)

電力会社ごとに地域特性があり、多種多様な装柱を持ってして、眺めるほどに面白い電柱。

これはあくまでも、他人事であるから楽しめるのであって、電柱管理者の現実は想像以上に悲惨。

国土交通省のデータによると、H28実績で3,578万本もある電柱。

(電力:2,393万本、通信:1,185万本の合算。年間7万本ずつ増えているようだ。)

数字を見ても一目瞭然であるが、通信事業者であるNTTの電柱(電信柱)は、電力会社の約半数しかない。

これは、世の中の需要の順番において、十中八九電気が先となるため。

建設工事が行われる際の仮設(臨時)電源は当然で、本設(常時)電源もそう。

その後、建物が完成してから電話線が引かれることから、NTTは後発者利益を享受。

面倒な電柱敷地契約(通称:用地交渉)が不要で、電力会社の電柱に共架するだけ。

(何ならNTTは、用地交渉すらも業者任せ。電力会社を辞めた理由㉒でも多少紹介した通り、病みやすい架空線設計担当からすると垂涎の限り。)

さすがの電力会社も重い腰を持ち上げ、最近では強気の姿勢。

新規の宅地造成等、複数本をまとめて施工できる場合は、優先的にNTTに建柱を依頼。

(○○電話工事と言った、NTTの下請けが実施。電力系の外線施工者と比較すると、明らかに小さい会社規模。)

それでも、急な電気申込の場合は電力柱。

(電力会社にもよるが、偶数長の電柱が多い。新設では、幹線:16m、分岐線:14mが多い。12mは弱電が載らず、高圧線架線時にPM継柱も必要となる。)

外線施工者は儲かり喜ぶが、その結果が上記の通り、一向に変わらない電柱本数の比率。

(工量の内訳は、電柱の建柱が最も儲かる。次点で高圧線の架線・張替。)

高圧線の末端を引き留める、無支線柱と呼ばれる特殊柱(自立柱)。

NTTの仕様では、この柱長ですらも9.5mと、我が道を行く変わった仕様。

(素直に10mで良いのではと思うが、その詳細は不明。)

あまりにもぬるい、NTTの仕事ぶり。

転勤さえ許容できるのであれば、電力会社なんかより、NTTに就職した方が良いかもね。

弱電、感電しないし。

ある日突然、犯罪者扱いされないし。



進まないCP更新

今もなお主流の電柱は、コンクリート製(通称:CP)。

日本最古のコンクリート柱は、北海道函館市にある1923年製。

たまたま保存状態が良く100年近くも持っているが、中国電力の参考資料(表紙除くP.4)によると通常の寿命は53年程度。

(表紙除くP.6のように、ひび割れが発生すると10年程度。)

電気共同研究会による知見があるにも関わらず、前職の電力会社においては、CPひび割れが発生しても基本的には放置。

(表紙除くP.8のように、耐荷重不足の場合は、横方向に発生。ASRとも呼ばれるアルカリ骨材反応の場合は、縦方向に発生。)

予防保全を行わなかった結果、どうにもならなくなってから建替対象となるも、施工者の手が追い付かずまた放置。

(関西電力のように、断面修復防錆モルタルを補修用の標準仕様として準備していれば、まだ延命も可能であろうに。)

現場の改善意識は、とにかく低い。

追い打ちをかけるように、管理CPと呼ばれるNTT所有管理電柱の建替工事を、最優先で実施させられた現場。

(余計な仕事の代表例。不良品の電柱で、実際に折損・倒壊した事例が多数。昔は特定CPと呼んでいたが、いつの間にか呼び方が変わった。)

関西電力の参考資料(表紙除くP.17)を見ても分かる通り、1980年代頃まで大量に建設されてきたCP。

大方の予想通り、2040年頃には新設・取替を併せた施工力が現状の水準を超え、当然ながら増える故障。

(表紙除くP.27によると、電線の低風圧化により、電柱の建替を完全に諦めたようにも見える。世の中の需要に応え、会社としても金儲けを考えると、当然ながら新設が優先。)

更に言うと、CPの更新どころか、遥か昔に建てられた木柱(通称:WP)も現場には山ほど残っている。

(その昔は、昇柱器・木登り器による人海戦術。足場釘が脱落する恐れがあるため、現在は高所作業車以外での昇柱禁止。)

WPは、倒壊しても公衆災害の恐れが少ない山間部や沿岸部に多く、結果として後回し。

(街中に蔓延る、高経年CPの更新が優先。架空線設計担当の評価・査定も、当然こちらが優位。)

酷いものは、地際にマイナスドライバーを突き刺すと、柄の部分まで全て飲み込む個体も。

(新入社員の頃、青ざめた経験。本柱でなく、支柱であったのがまだ救い。)

過去から現在、現在から未来へと、責任の投げ合い。

“マリオパーティ ボムへいわたし


まんま、これ。

いつ爆発するかは、誰にも分からない、デスゲーム。

クソゲーオブザイヤー、受賞。

 

以上、電力会社を辞めた理由㊶についてご紹介しました。

電力会社を辞めた理由㊷にて、引き続きまとめていきたいと思います。

それでは、また。