電力会社を辞めた理由㊸

LINEで送る
Pocket

どうも、しそです。

今回は、電力会社を辞めた理由㊸についてご紹介します。

(電力会社を辞めた理由㊷の続編です。)



個性豊かな面々

電力会社には、多種多様な人種がいます。

電力社員の攻略法①でも多少紹介した通り、学歴別に高卒が7割、高専卒が1割、大卒が2割と言われています。

(その昔は、中卒や短大卒も。時代とともに、廃れる採用。)

これら電力社員の様相について、私の今までの実体験を踏まえ、ご紹介致します。



BOØWYさん①

BOØWYさんは、私が新入社員で保守担当に配属された頃から、お世話になっていた高卒の先輩。

(語源は、BOØWY。その理由は、後述。)

配電工事技能教育の受講中や、病んで休職していた時を除き、退職するまで殆ど同じ担当で過ごしました。

(2~3年に一度、定期異動がある電力会社。同時期に配属されると、同じ周期での異動となり、担当被りが続くことがある。)

趣味は、末端の電力社員の例に漏れず、パチンコ・パチスロ。

現場に向かって運転する私の隣で、友人に電話を掛ける助手席のBOØWYさん。

気になる会話の内容は、いつも出玉や設定の話ばかりしていました。

(電力会社を辞めた理由④を参照のこと。重度のヘビースモーカーで、蓋付ブラックコーヒーの空き缶が手放せない。)

「お前らは、俺の若い頃と比べると真面目過ぎる。仕事は二の次だぞ。」が口癖。

普段から斜に構え、傍から見たら一見やる気がないように見えるBOØWYさん。

けれども、根は誰よりも真面目で、実は結構な仕事人間。

いい加減そうに見えて、勘所をしっかりと押さえた、仕事のやり方。

現場では危険のポイントを把握し、作業班長として部下の安全を守る責務を全う。

手先は器用で、自身の技能も必要十分。

勉強は不得意そうに見えて、何度もスパイラルしながらも、しっかりと電験三種に試験合格する努力家。

(電力会社の配電部門では、30歳未満の電験三種取得率目標が、30%。これすらも達成されない、お粗末な現場レベル。)

人当たりもよく、外線・引込線・内線施工者からの評判は上々。

電力会社を辞めた理由㉒でも多少紹介した通り、普通なら難航する用地交渉すらも卒なくこなす、配電系電力社員の鏡。

現場での人望も厚く、副課長以下の評価も申し分なし。

一方、そんな彼でも、出世を左右する課長以上からは全面的に干されてしまった、悲しい過去。

その原因としては、常態化した人員不足にある。

B型営業所と呼ばれる少人数の事業所では、一人作業が日常。

(電力会社を辞めた理由⑦電力会社を辞めた理由㉑を参照のこと。)

俗に停電切替(通称:切替)と呼ばれる、開閉器操作。

(電力会社を辞めた理由㊴を参照のこと。)

今となっては、送停電連絡責任者+開閉器操作者の二名体制による、ダブルチェックが当たり前。

だがしかし、BOØWYさんが若かった20年以上も前には、そんなルールも何のその。

現実問題、現場に出られる人員は限られている。

(平日ならまだしも、休日は僻地から地元へと帰る社員。荒天が予想されていれば別だが、平素の週末は常に手薄。)

配電線の延長・張替によって、結線の変更が生じると、欠かせない検相作業。

通常、後輩が柱上からロープを下ろし、地上で先輩が結ぶ検相器

一人作業の場合は、事前に地上で結んでおき、腰道具にその端末を引っ掛けて昇る。

(昇柱方向にもよるが、ロープを垂らしながら昇ると足場ボルトや外灯に絡まり、最終的に引き上げられないことも。)

弱電線を跨いだり、予期せぬ強風が吹くと、折角引っ掛けたロープの端末が落下。

(直営社員は、ロープ端末が外れるゴム製フック。巻き溜めたロープの束ごと落とすことが多い。)

また、外線施工者は、工具吊り用フックを採用していることが多いが、運が悪いと道路脇を走行する車両にロープが引っ掛かり、地上へと墜落する危険性を孕んでいる。

(どちらが正かと言われると、正直どちらも微妙。3Kである外線工事現場に、絶対的な安全はない。)

配電線工事は送電線工事と違い、荷揚げに電動・原動ウインチが使用されることも稀。

よって、人力または高所作業車のサブブームによる荷揚げは、今後もなくならない危険な単位作業。

(電力会社を辞めた理由㉞を参照のこと。腰痛は、何故か労災にはなりません。)

ちなみに、件のBOØWYさんはと言うと。

そのどちらでもなく、首・肩に検相器を引っ掛けて昇柱。

ロープによる上げ下ろしは不要で、最も省力かつ安全。

これこそが、現場が導き出した現実的な安全施策。

何度も繰り返し申し上げるが、配電の現場は理屈ではない。

(友情・努力・勝利が、しそ日記のテーマ。)

そんなやり方を常日頃からしていたものだから、ついに開閉器操作誤りによるヒューマンエラー停電が発生。

原因は、配電用自動電圧調整器(通称:SVR)の素通し固定忘れ。

(配電線の電圧降下を抑制。太線に張替するよりも、コスト面で有利。昇圧タップしか設けられていない仕様は、俗にブースターと言う。最近では、太陽光発電等の系統連系に伴う影響を考慮した、逆潮流対応型が主流。)

電源側と負荷側のタップを一致させる作業(通称:素通し)を忘れたまま、ループ用開閉器を投入。

結果、異なるタップ比によって数万[A]にも及ぶ横流(循環電流)が装置内に流れ、1台400万円とも言われるSVRを焼損。

このことが、悪しき人事システムによって二十数年以上も語り継がれ、BOØWYさんが出世できない理由。

(電力会社を辞めた理由⑳を参照のこと。電験三種すら持っていない2トップが先に副課長となり、同期内の序列はブービー。)

少々長くなったので、一旦この辺で。

次回に、続きます。

 

以上、電力会社を辞めた理由㊸についてご紹介しました。

電力会社を辞めた理由㊹にて、引き続きまとめていきたいと思います。

それでは、また。