電力会社を辞めた理由(65)

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どうも、しそです。

今回は、電力会社を辞めた理由(65)についてご紹介します。

(電力会社を辞めた理由(64)の続編です。)




歩道を走行する社用車

電力会社の配電部門には、巡視と呼ばれる日常業務があります。

保安規程に定められている通り、4年に1回実施される巡視を、定期巡視。

配電線事故や、各シーズンごとの目的別に実施される、目的別巡視。

(営巣巡視・つる巡視・台風後巡視・降雪後巡視等。事業所によっては、温泉街巡視のような変わり種も。)

これら、二種類の巡視業務に分けられます。

いずれの場合も苦労するのが、自動車の駐車場と走行方法。

定期巡視の場合は、公園や神社仏閣等の通報されにくい箇所を選定し、終日駐車。

(付近に適当な駐車場がない場合は、工場・商店等に事前に依頼し、交渉することもある。)

携帯情報端末を片手に、徒歩で双眼鏡を持って歩き、電柱上を確認する。

(スマホ・タブレット全盛の時代に、PDA。2000年台初頭の当時としては画期的だったが、今となってはストレスを感じるレベルの感圧式タッチパネルで、気が付くとなくす付属ペン。巡視途中でバッテリーが消耗すると、不良内容を紙に手書きし、事業所に戻ってから再入力。巡視完了報告の専用ソフトも扱いづらく、転送速度も遅い。)

また、基本的な目的別巡視の方法は、B直と呼ばれる若手社員が、自動車を運転。

(「お前は運転に集中しろ!」と言われるが、ついつい見てしまう柱上。非常に危険な行為で、私有車でもやりがち。人員の少ない事業所では、運転しながら巡視せざるを得ないこともある。)

そして、司令直・A直と呼ばれる副課長・中堅社員が、助手席から双眼鏡で電柱上を目視。

作業の効率を考えると、自動車を走らせながらでなければ、その広い管理区の巡視を日中に終えることは、まずできない。

(電力会社を辞めた理由㉖電力会社を辞めた理由(58)を参照のこと。)

ちなみに、一つの管理区で電柱1,000基はざらにあり、管理区によっては2,000基を超える。

概ね3人~4人で区割りし、ひたすら歩いて回るが、特にこれからのシーズンは夏場の体力消耗と上向き姿勢により、常に疲労困憊。

(少ない区に当たれば、ラッキー。ただし、「お前、楽なとこばっかり選んでんじゃねえぞ?」と、その気がなくとも確実に嫌味を言われる。)

特に注意する点としては、曇天・雨天であるとGWの錆が全く見えない。

これを見落とすと、高圧腕金上に落下し地絡事故に至るか、最悪の場合は地上に落下し公衆災害。

地線金具(P.81参照、通称:GW金物)の仕様が非常にお粗末で、架空地線引通し金具の取付方向を誤りやすく、施工不良によって強風時に落下するケースが未だに多々ある。

その理由としては、配電部より周知案内文を配信しても、精々伝わるのは直営社員や施工者の現場班長まで。

肝心要の現場作業員にまでは伝わらず、繰り返されるヒューマンエラー。

また、コストダウンのためか金具の梱包ごとに取扱説明書は存在せず、伝承として言い伝えられる先人の知恵と、Word体系でとにかく見づらい『作業標準』のみ。

「『作業【標準】』であって、現場の設備は未知数。よって、絶対に守らなければならないと言うものでもない。」と屁理屈を言う、現場の電力社員。

現在は『作業【手順書】』へと名称が変わったが、特段読み合わせする機会もなく、習熟しない現場技能。

このように、電力業界のふざけた副資材の構造といい加減な教育体系により、再発防止が可能なユニバーサルデザインへと変貌する見込みは、断じてない。




無敵のハザードランプ

目的別巡視では、管理区を跨いで配電線(フィーダ)ごとの故障区間または全基数の巡視を行うが、それでも相当なもの。

(電力会社を辞めた理由㊴を参照のこと。優れた配電自動化であるが、考え出したのはあくまでも総合電機であって、電力会社ではない。)

この際、自動車はノロノロとした徐行運転で、配電線事故の原因に繋がるような電柱の手前では、一旦停止。

(引通し装柱には事故原因が少なく、粗々と眺めるだけ。振分け装柱や変圧器等の機器柱は、細かく凝視。)

後続車がいないような閑散とした道路であれば良いものの、間髪入れず自動車が行き交う、国道・基幹道路沿いの場合は、そうも行かず。

左側の走行車線を走っていても、後続車に追突される恐れがあり、鳴り止まぬクラクション。

(電柱は道路脇に建っていることが殆どであるため、右側の追越車線から巡視することはまずない。)

そんな時、上司・先輩から間違いなく言われるのが、

ハザードを焚いて、歩道を走れ!」

これ。

道路交通法第17条(通行区分)の違反に該当し、9,000円の反則金と、2点の違反点数。

(無論、助手席の上司・先輩に被害はなく、運転者である若い衆だけ行政処分。)

また、万が一歩行者や自転車を撥ねようものなら、危険運転致死傷罪により、過失割合が10対0。

若年社員に下される判決は、免許取消・懲戒解雇・懲役刑。

電力会社は、従業員に法令・ルールを守るよう、建前だけの指示。

先輩社員は、自分の身【だけ】は自分で守ると言う強い意思の元、後輩社員へと投げやり。

いざ交通事故が発生しても、会社・上司は知らぬ存ぜぬで、無情にも従業員を切り捨て。

たまたま事故に遭遇しない、運の良い年配社員だけが生き残り、間断なく補充し使い捨てにされる新卒。

冷静に考えれば考えるほど、情緒不安定になる聡明な若手。

一方、先輩の言うことを忠実に聞き、しゃかりきに働く愚鈍な若手。

虚構の道化を演じ続けられなければ、闇の深い電力会社で生き残ることは、決してない。

経験値上昇中☆

 

以上、電力会社を辞めた理由(65)についてご紹介しました。

電力会社を辞めた理由(66)にて、引き続きまとめていきたいと思います。

それでは、また。