電力会社を辞めた理由(85)

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どうも、しそです。

今回は、電力会社を辞めた理由(85)についてご紹介します。

(電力会社を辞めた理由(84)の続編です。)




機能不全のロックピン

電力会社を辞めた理由㊴でも多少紹介した通り、電力会社の配電部門では、開閉器による停電範囲の最小化を行います。

現場で高圧線工事を行う際には、軽工事に対しては間接活線工法が採用されますが、電柱建替や高圧線の移線・張替等の重工事には対応しておらず。

(電柱の装柱【大阪編②】を参照のこと。棒で突っついて操作するため、出来ることは限られ、作業性は良くない。)

よって、線路用開閉器の操作を以て高圧線を停電させるが、都合よく常設開閉器が現場に設置されていることは稀。

この際に用いられるのが、工事用仮設開閉器

(通称:仮設GS。仮ガスと呼ぶ地域もあるが、方言。)

人間系による誤操作を防止するため、指針上部にあるロックピンと呼ばれる半割構造の金属(洗濯バサミ)にて、赤または白の穴に挟み込む。

この状態が有効に効いていれば機能的には全く問題ないのだが、前述の通り資機材の管理がいい加減な電力会社。

(電力会社を辞めた理由㊱電力会社を辞めた理由(54)電力会社を辞めた理由(77)電力会社を辞めた理由(83)を参照のこと。製造業では常識の5Sが一切できず、比較すると行儀の悪さ・程度の低さが目に付く。)

紐は千切れ、仮設のバインド線にて適当に結束。

ロックピンの挟む力が弱まり、ガバガバのまま脱落。

常にそんな状態での、現場運用。

思い起こせばその昔、自分自身が新入社員の頃。

現場に配属された直後の、初めての開閉器操作。

午前9時の停電操作を目前に、研修センターとは明らかに違う、現場の入り組んだ開閉器柱。

恐る恐る昇りながら、不意に掴んだ仮設GSの下部フレーム。

突如、檄が飛ぶ現場。

「馬鹿野郎!死にてぇのかお前!」

電柱の下方より響き渡った、現場責任者(外線施工者)の怒声。

事実、金属製のバンドで電柱に締付固定をしているものの、あくまでも仮固定。

思い切り成人男性の体重を掛けてぶら下がれば、容易に脱落。

想定される事故は、架空線側のコネクタが外れ、欠相&停電。

最悪の場合は、接地体に触れて1線地絡事故となり、フィーダごと大停電。

(または、仮設GS側のコネクタが外れて人体に接触し、作業員の感電死傷。)

些細なヒューマンエラーより引き起こされる、一歩間違えれば重大災害に繋がる危険予知。

発注者・受注者としての主従関係も顧みず、私の身を案じる一心で、教育的指導を行ってくれた現場のおじさんには感謝。

(このように、意味のある叱りつけは今もなお役立つ経験として覚えている。理性なく感情的になって怒り狂う、どこかの電力社員とは大違い。)

ところが、大半の現場では。

仮設GSの取付・取外を直接行う、外線施工者が”電力さん”に対しいらぬ気を遣っているのは言うまでもないこと。

現場で操作する電力会社の直営社員も、問題点に気が付いているのに絶対に上申せず。

(そもそも、最小限の在庫しか持っていない。毎日どこかで外線工事を行っているため、メーカー修理に出す暇も金もない。)

耳にたこができるほどヒューマンエラー停電を起こすなと言う割には、ハード・ソフトの両面で整備は進まず。

(電力会社を辞めた理由㊴を参照のこと。たった一度の失敗で、窓際行き。)

報連相って、なんだよ。

上司から部下への強要でなく、普段から話しかけやすい雰囲気作りのことだろ。

今思い出しても、彼らが思い違いしている「社会人たるべく行動」は、正気の沙汰ではない。

最初からこの世界は狂っている。



翼の折れたエンジェル

上記の通り、高圧停電工事では、電線との安全距離を保たずに直接手を触れて作業することが可能。

柱上変圧器更新工事等、通常は低圧停電工事として行われるような作業でも、同じ停電範囲にあれば上位電源側の工事と兼ねて同時並行で実施されることも多々ある。

高圧線の停電中に作業が終われば問題はないが、午前12時の復電操作が迫っている場合。

やむを得ず、柱上変圧器に繋がる低圧お客さまへ送電が遅延する旨説明し、CF遮断器以下の停電工事として継続。

(柱上変圧器が起因する、故障停電の場合も同様。事故点を早々に切り離し、その他の大多数を早期復旧。)

その際に使用されるアイテムが、昇り過ぎ防止器

見るからにダサい安物を、高圧絶縁ゴム手袋の通袋に入れて昇柱。

(本来は目的外の用途だが、丁度良い大きさの入れ物が他にない。)


ワタベ ゴム手袋ケース 744

高圧活線近接の範囲に入らないよう、注意しながら羽根を開き、電柱に差し込む。

作業中の不注意で昇り過ぎることがあれば、ヘルメットや腕がぶつかり注意を促すと言う、大変アナログな代物。

それ自体に有効な効果があるかはさておき、問題点はその耐久性。

新品時、全6枚の構成であるが、現場での取り扱いが雑な電力社員。

大方1~2枚はプラスチック製の根元から折損しているが、当然の如くろくに修理もしないまま放置。

見るからに想定通りの機能は果たしていないが、特に問題視されていない配電保守の現場。

(外線施工者に対しては厳しく指導するが、CF確認スペーサー同様、直営作業では省略することも多い電力社員。他人に厳しく、自分に甘い。)

命あっての、電気工事でしょうに。

この先何年も、体の良いボロ雑巾のままで良いの?

現役電力社員殿。

 

以上、電力会社を辞めた理由(85)についてご紹介しました。

電力会社を辞めた理由(86)にて、引き続きまとめていきたいと思います。

それでは、また。