電柱の装柱【京都編⑤】

どうも、しそです。

今回は、電柱の装柱【京都編⑤】についてご紹介します。

(電柱の装柱【京都編④】の続編です。)



高圧部分は、片出し&抱き腕金(アーム)を用いた、引通し(通称:通し)の装柱。

(高圧幹線の垂直荷重をカバーするためか、腕金の先端を無理矢理補強している。)

狭小な線間間隔で延線するため、日本ネットワークサポート(旧:日本アーム工業)磁器製スペーサ(一般用三角スペーサ)を用いている。

側部に取付された高圧ピン碍子(通称:高圧ピン)によって、高圧幹線の支持と柱上変圧器一次側(高圧)の引下げリードへの分岐を兼ねている。

低圧部分は、片出し&抱き腕金(アーム)を用いた、引留め(通称:留め)の装柱。

柱上変圧器二次側(低圧)の渡り線を低圧腕金まで縁回しするため、湾曲した配管を使用している。

(あまり見ない形状。柱上変圧器二次側の多くは、露出されたSHIV線をスパイラルチューブで保護。配管に入れるとしても、低圧腕金~引込腕金間で直管のVE管ぐらい。)

高圧カットアウトが3個付いていることを考えると、元々は動力専用の柱上変圧器が設置されていたと予想。

(電灯需要のみであれば、高圧カットアウトは2個で良いはず。)

動力需要がなくなり、遊休設備となった結果、撤去されたと想像。

(その他の根拠として、写真中ほど左側に、遊休設備の動力引込腕金が残置されている。)

月刊『電気現場(旧:電気現場技術)』の2015年7月号に、0%動力変圧器無停電撤去工法の考案と言う題目の特集が組まれていたことを覚えている。

3極連動PCの内、電灯側の2個を絶縁クリップで挟み込んだ後に、動力側の1個を開放。

間接活線工法によって、無負荷の柱上変圧器一次側(高圧側)V結線の渡り線を切断すると言うものだった。

(変圧器の励磁電流のみであるため、切断は容易。)

写真では、渡り線切断後の高圧絶縁電線端末カバーは見えないが、同工法は実際に現場で採用されているのだろうか。

(ちなみに、高圧停電にて作業を実施できる際には、コストの安い高圧線用端末キャップを使用する。)

なお、高圧カットアウトに挿入するCFヒューズには、容量ごとに異なる表示ラベル(クラフトチューブ表面)と色別表示片(塩化ビニル製)があり、配電系新入社員の必修科目。

(間違えて挿入すると、即ドボン。)

5kVA:黒

10kVA:赤

20kVA:黄

30kVA:紫

50kVA:白

100kVA:茶

地上からでも確認できるため、目を凝らしてみてみると良い。

(電力会社によって、色別は異なるかもしれない。紫外線にやられ、白くなっていることが多い。)

また、動力引込腕金と電灯引込腕金の間に見えている、筒状のヒューズを密閉形電線ヒューズと言う。

(昔ながらのでんきやのオヤジは、前世代のケッチと呼ぶ。)

IV・DV線相当(最高許容温度60℃)の電線を基準に定格電流が定められており、電線サイズの呼称と同等。

(CV・CVTケーブル等の、最高許容温度が90℃の電線を使用する際には、定格電流の換算や電線サイズの変換が面倒。)

主に、架空線(基底温度40℃、空中・暗きょ布設)での使用を前提に設計されているため、地中線(基底温度25℃、管路引入れ布設)での使用は、かなりいい加減な選定。

柱上に配線用遮断器を設置することは困難のため、専ら引込線の過負荷・短絡保護のために用いられる。

当然ながら漏電遮断器のような地絡保護はできず、引込線で漏電した場合は、対地電圧が発生したまま気が付かない。

(こうならないために、十分な離隔距離を確保する必要があるが、イケイケな配電の現場では御臨終。)

関西電力仕様(エレメント確認タイプ)は、溶断箇所がはっきりと目視できるため、故障の原因を特定できる。

(細い箇所が溶断していれば短絡、太い箇所が溶断していれば過負荷。)

ただし、実際には経年によって浸水していることが多く、内部は曇って見えないことも多々ある。

東京電力仕様(ニクロム線焼け焦げタイプ)は、コストダウンを目的に、目視では故障の原因を特定できない。

しかしながら、経年劣化による不慮の故障を除けば、短絡による故障が殆ど。

(引込線は、比較的余裕を持って設計される。内線向け配線用遮断器の方が、動作特性が顕著。)

馬鹿の一つ覚えで取替・接続しようものなら、取替直後に再溶断。

現場でのテクニックとしては、電線ヒューズの負荷側を先に接続し、電源側を接続する際には軽くタッチして短絡の有無を確認。

(更に、用心な私は爪付ヒューズ15Aを間に噛ませて、被害防止。)

その他の注意点としては、電線ヒューズ接続の際に負荷電流が流れると、バチバチとアークが発生する。

電柱の昇柱する前に、忘れずに引込口開閉器または契約ブレーカー(主開閉器)のいずれかを開放しておくことが重要。

(配電系電力社員の仕事の半分は、この電線ヒューズ取替作業であると言っても過言ではない。)

参考先URLでは、責任分界点から分電盤(主開閉器)までの配線亘長が3m以上となっているが、正しくは計器二次側から分電盤(引込口開閉器)までの配線亘長が8mを超える(P.14)かどうか。

(8mの根拠は、VVケーブルによる実験と経験によるもの。)

計器一次側・二次側の配線は、隠ぺい施工にされると事故時の取替が困難。

無駄なブレーカーの費用や不慮のトリップによる復旧遅れを防止するため、引込口開閉器が必要ない内線の構築が理想。

敷地境界の鋼管柱にて受電し、構内の幹線ケーブルを地中配線とすると不可避。

(平屋、涙目。)

鋼管柱を設置する場合は、日本ネットワークサポートのSH-8が一般的。

個人的には、住宅の2階部分で受電することを推奨。

電力会社の引込線が宅地内まで入って来るため、構内の幹線が短くて済む。

(内線DVや鋼管柱の取替は、自費負担。)

よって、住宅建設に伴い土地を購入する際は、電力柱の建柱位置を確認しておくと吉。

(電力柱~引込線取付点まで、直接引込できる位置・角度かどうか。)

 

以上、電柱の装柱【京都編⑤】についてご紹介しました。

電柱の装柱【京都編⑥】について、引き続きまとめていきたいと思います。

それでは、また。

良いお年を。