電力会社を辞めた理由(68)

どうも、しそです。

今回は、電力会社を辞めた理由(68)についてご紹介します。

(電力会社を辞めた理由(67)の続編です。)




無情の除外時間

電力会社の配電部門には、所定内労働時間の概念が存在しません。

深夜・早朝の停電切替や配電線事故復旧のため、残業だけで6時間以上や8時間以上の連続勤務となることはザラ。

電力会社を辞めた理由(55)でも多少紹介した通り、労働基準法では45分または1時間の休憩を取るよう定められているが、現場では完全に無視。

実態を把握するため、電力会社では実際にどのように運用しているか、深夜作業の実例を挙げてみる。

22時00分:出社

22時00分~22時30分:出発、現場到着

22時30分~0時00分:切替操作

0時00分:停電操作

0時00分~0時30分:タブレット(紙:停電通知の意)引き渡し、短絡接地器具取付確認

0時30分~1時00分:一旦帰社

1時00分~3時30分:手待ち時間(仮眠)

3時30分~4時00分:出発、現場到着

4時00分~5時00分:相接続確認、タブレット(紙:施工完了の意)受領

5時00分:復電

5時00分~6時30分:切替戻し操作

6時30分~7時00分:帰社

7時00分~7時30分:片付け、退社

上記のケースでは、拘束時間は22時00分~7時30分の9時間30分。

ここから1時間の休憩を差し引きし、実際に給料に反映されるのは8時間30分。

この場合は、手待ち時間に仮眠を取れているため、比較的まともなケース。

続いて、宿直中に発生した、配電線事故復旧の実例。

17時20分:~22時00分:待機(宿直)

22時00分:配電線事故による停電(宿直者:第一陣、呼出者:第二陣~第三陣)

22時00分~22時30分:出発、現場到着

22時30分~23時00分:粗巡視(足場倒壊、クレーン接触、車両衝突、電線脱落等の確認)

23時00分:試送電、最終区間確定

23時00分~0時30分:精密巡視(CFヒューズ切れ、避雷器底抜け、碍子割れ等の確認)

0時30分:事故点発見

0時30分~2時30分:事故点除去(変圧器吊替、避雷器取替、碍子取替等)

2時30分:作業完了、瞬投⇛失敗(襲雷時は、複数の地絡事故点が存在することも多々ある)

2時30分~4時00分:精密巡視

4時00分:事故点発見

4時00分~6時00分:事故点除去(変圧器吊替、避雷器取替、碍子取替等)

6時00分:作業完了、瞬投⇛成功⇛本投入⇛復電

6時00分~6時30分:帰社

6時30分~7時00分:片付け

7時00分~8時40分:待機(宿直)

上記のケースでは、宿直を除く拘束時間は22時00分~7時00分の9時間00分。

問答無用で1時間の休憩が差し引かれ、実際に給料に反映されるのは8時間00分。

この場合は、実際に休憩を取る暇はなく、明らかな実働。

また、何故かは分からないが、労働時間が6時間以上8時間未満となった場合に、45分の休憩を差し引かれることはなかった。

(8時間までは丸々貰え、美味しい時間外手当。コンプライアンス上正しいかどうかは、今もなお不明。)

なお、このケースは事業所から現場までが30分と、比較的楽な状況を想定。

実際には、事業所から1時間以上かかる現場も数多く存在。

資材車に積載された副資材だけでは、材料が不足によりその場で直せないこともある。

(カバーやスリーブ類は積載されているが、直下品と呼ばれる変圧器やVCT等は事業所にしかない。30kVA以上の大容量変圧器も、工事工業組合や外線施工者の倉庫にしか置いていない。)

そして、作業内容によっては高所作業車が複数台必要なこともあり、第二陣や第三陣の到着を待つ始末。

前述の通り、電力直営の施工能力には限界がある。

(電力会社を辞めた理由㉝電力会社を辞めた理由㊳を参照のこと。深夜・早朝に発生しがちな、自動車衝突による電柱折損が最大の恐怖。)

よって、過半数の現場では外線施工者による応援が必要で、出動要請にはそれなりの時間が掛かる。

また、文字通り夜通し作業となるが、翌朝の8時40分からは通常営業で、午後半休が取得できる12時00分までは勤務。

(電力会社を辞めた理由②を参照のこと。流石に外勤は免除されるが、寝ぼけながらの内勤も楽ではない。)

これが、一般的な配電系電力社員の働き方。

体力お化けと脳筋しか生き残られないのも、至極当然のことであろう。

逆もまた然りで、口だけインテリ野郎は他人に危害を加えないよう、鬼気迫る現場には出ない方が身のため。

俺のことだよ。



早すぎる集合時間

深夜作業もさることながら、じわじわと電力社員の財布と肉体を蝕む、早朝作業。

(電力会社を辞めた理由⑰電力会社を辞めた理由㉗を参照のこと。)

例えば、山間地の6.6kV水力発電所のバンク空けは、低負荷となるタイミングを見計らって切替するため、早朝4時には事業所を出発。

(俗に、直配と呼ばれる。大容量設備が蔓延る工務部門の中では、ダントツでショボイ電気所。)

当然ながら、公共交通機関が運行している時間帯ではないため、自家用車での出勤。

(電力会社を辞めた理由⑤を参照のこと。意外と馬鹿にならない値段の上に、利便性は最悪。)

電車通勤やパーク&ライド等でバス通勤をしている社員は、前日から実費でホテルへ宿泊。

(福利厚生の一つである、えらべる倶楽部をフル活用。年に5回までは夏季:3,500円、その他季:2,500円の宿泊補助が出るが、他の旅行サイトと比較すると明らかに割高のぼったくりプランで、結局のところ目減り。)

休憩するためのタタミ・タマリのスペースも限られ、横になる場所もない。

(宿直・深夜作業以外の理由で、事業所での就寝・待機は御法度。)

飯の種とちっぽけな勇気を守るため、本来は不要な身銭を手出し。

自己犠牲も省みず擲つ、貴重な余暇・睡眠時間。

リアル、FUNKY MONKEY BABYS

本末転倒じゃあ、ないでしょうかね。

 

以上、電力会社を辞めた理由(68)についてご紹介しました。

電力会社を辞めた理由(69)にて、引き続きまとめていきたいと思います。

それでは、また。